戸沢充則先生ご逝去にあたり

  去る4月9日、明治大学元学長、戸沢充則先生がご逝去された。享年79歳。

 今更隠すまでもないが、私と先生は少し特別の間柄だった。祖父藤森栄一の愛弟子だった先生は、私が明治大学の考古学専攻生になった当初から、何かと目をかけて下さっていた。聞こえないふりをしていたが、複数の場所で「あいつをよろしく頼むぞ」とおっしゃっていたのを、私は知っていた。
 無論、私のメッキはすぐに剥がれたが、それでも先生の思いに応えようと努力してきた。時には褒められ、時には叱られた。
 就職、結婚、父や祖母の葬儀、思えば人生の岐路には、いつも先生の姿があった。祖父栄一の遺した”旅館やまのや・諏訪考古学研究所”を手放す際も、温かい援助を頂いた。

 2010年秋には、私が不安いっぱいで開催した「栃原岩陰遺跡シンポジウム」にお招きし、講演までして頂けた。120名の参加というのは、人口800人程の村では”事件”であった。
 その時だったろうか。「お前の山の中の家に、僕を招待してくれたっていいんだぞ」と笑いながら言われた。さらに「そろそろ”英”の字を”栄”にしてもいいころだ」とおっしゃったのは完全にリップサービスだったろうが、嬉しかった。



 今頃は、東京の空の下でご家族と居るのだろうか。

 私は、先生の愛したここ信州の山の中で、ただただ、勉強を続けようと思う。
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Comment

No title

謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

昨日、論文を頂きました。ありがとうございました。

おじいさまが育てた先生がいらっしゃって、その先生がかわいがったA.E.Gさんが書いた論文なんだなあ、と、人の営みとつながりを幾層も感じています。

実は、おじいさまの「かもしかみち」は、去年亡くなった私の先生の蔵書から読んだんです。
亡くなってからしばらくして、町の博物館の寄贈図書の中に見つけて、本の中を見たら、先生が寄贈された本だったんです。
なんだかはっとしてしまいました。よく叱られたんですけど、やっぱり懐かしくて、借りたままずっと手元にあります。

だから、その本を見ると、先生と藤森栄一さんと、A.E.Gさんが、ぽんっと頭に浮かぶんです。これからは、面識はありませんでしたが、戸沢教授もぽんっと浮かぶでしょう。

論文は、これから楽しみに読ませて頂きます。

Re: No title

たくさんのお言葉、ありがとうございます。
asahi3011さんも素晴らしい先生に出会えたのですね。

実は、祖父は私が物心つく前に他界しており、記憶には無いのです。
おかしな感覚ですが、今になって、祖父と戸沢先生が繋がった気がしています。

論文、そちらのブログでもご紹介頂き、ありがとうございました。
出来の方は分かりませんが、
こちらも多くの人の縁が書かせてくれたものです。

先人たちに感謝し、お互い頑張りましょう。

No title

英の字を栄にするなんて、まだ早すぎー。
お互いメッキの剥がれた同士、俺なんか毛まで剥げている。
戸沢先生の教えを守り、がんばりましょう!

昨夜はあの後、4件ハシゴし、帰宅は2時。

Re: No title

> 英の字を栄にするなんて、まだ早すぎー。
はい、調子に乗りました!

> お互いメッキの剥がれた同士、俺なんか毛まで剥げている。
> 戸沢先生の教えを守り、がんばりましょう!
毛は…、と、とにかく八ヶ岳さんはメッキなんてものでなく、
芯から光っておられますよ!
私も頑張ります。

>
> 昨夜はあの後、4件ハシゴし、帰宅は2時。
あの後、4件、2時。
お疲れさまですが、ほどほどで(笑)。
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