黄金色のカラマツ


 いよいよ冬間近。普段の年ですと、広葉樹の紅葉が一段落してから、カラマツが黄金色になるという感覚なのですが、今年はそれが一度に訪れている感じです。路も屋根もカラマツの葉で埋まってしまいそうです。
 さて、このカラマツに対する私の想い、春の芽吹きの時に「またいずれ」などと書きましたが、ここでその続きを。
 現在長野県内にも、カラマツ林はかなりの面積で見られます。もちろんこの中には天然のものも含まれるのですが、多くは戦後の植林によるものです。国の後押しもあり、不足する木材資材を補うため、各地で植林事業が行われ、長野県の風土に適する樹種としてはこのカラマツが選ばれました。地域にもよりますが、それこそ植えに植えたそうです。「こんな斜面にも!」と驚くような場所も多くあります。
 ところがカラマツは割れや狂いが出やすく、建築材料としてはやや不適当。その上需要を見込んでいた電柱もコンクリートに取って代わられます。さらに安い外国産の木材が大量に出回るにいたって、このカラマツはまったくふるわなくなりました。
 その結果、今では手入れの行き届かないカラマツ林が増えてしまいました。このような林は本来の広葉樹林と比べて弱い土壌となり、単純になりがちな植物相では、動物たちの餌も不足しやすくなります。これが全てではないにしても、土石流のような災害や、野生動物による食害、クマの里での出没例の増加などの一因になっている事は確かでしょう。
 これに関わった人々を責める気は毛頭ありません。しかし今、そのことが山や川や海に与えたダメージについては、冷静に考えるべきでしょう。
 人間の都合に翻弄される木々。やがては切り倒され、もとの広葉樹の森に戻されていくのが運命でしょうか。
 でもせめて、今はその黄金色の輝きで、森をやさしく包んで下さい。

(写真は2002年、八ヶ岳エリアにて撮影のもの)
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Comment

No title

最低週一で峠道を往復している02です。
今夜も峠道を越えてきましたが、「なんか降ってきた!まさか雪か?!!」と思ったら、道路は一面オレンジで、降ってきていたのはカラマツの落ち葉でした。ちょっとビックリでした。

No title

あれはホントに雪のようですよね。昼間だとキラキラ光ってとても奇麗です。
ただ運転はくれぐれも気をつけて下さい。

No title

最近は建築でも県産カラマツ材を良く使いますよ。前知事の地産地消と緑のダム運動の賜物ですね。松材をあまり使わない理由のひとつにヤニがありますが、最近は脱脂技術が向上したので使えるようになりました。
少々お高いですけど、森林を守ることは大切なことです。
それにしても美しい写真ですねぇ。

No title

そうですね、そのような動きもあるようですね。ただ単価の壁は厳しいという声も耳にします。難しい問題ですね。
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