祖父、父、カメラ

 昨日は、祖母の一周忌だった。同じ墓には、祖父と父も眠る。そんなこともあって、半年置き去りにしていた話題を。

 私の祖父は、諏訪に生きた在野の考古学者で、諏訪市博物館では展示コーナーが設けられている。その中に、祖父が発掘した考古資料に混ざり、愛用していたカメラがある。
 今まであまり意識してはいなかったが、調べてみると1959年に発表された「ASAHI PENTAX S2」というモデル。他にもカメラを持っていたかどうか私は知らないが、1973年に他界するまで、祖父はこれで膨大な数の写真を撮ったはずだ。
 時は流れ1987年、私が中学生の頃、父が突然一眼レフカメラを購入した。それがPENTAXの「SFX」。なんでも「世界初、オートフォーカスの一眼レフだ」と言っていたのを覚えているが、今調べると、正確には「初のストロボ内蔵オートフォーカス一眼レフ」のようである。
 それはともかく、この時、婿養子だった父が祖父のカメラのメーカーまで意識していたかどうか。6年前に父が他界した今、確かめる術もない。
 さて、私自身は、カメラというものにさほど興味も持っていなかったが、大学で考古学を学ぶようになり、先輩たちの機材や写真技術に刺激されるにつれ、父に借りて上記の「SFX」を持ち歩くようになった。いつの間にか、バイト代でカメラバックや300mmの望遠レンズまで買って、調査や山歩き、キャンプなどにも担いで歩いた。
 しかし、不注意から、このカメラを失ってしまう。
 ある用事でカメラを使った後、荷物も多く、たまたまカメラを車内に放置した。当時借りていた駐車場は、自宅から歩いて2、3分の水田の一角。一晩か二晩、そのままでいたところ、車上荒しにあった。ドアガラスを割られた上、カメラもレンズも、バッグごと盗まれてしまった。もちろん警察に被害届は出したが、還ってくるはずもなく…。怒りというよりも、父にもカメラにも、本当に申し訳ない気持ちだった。結局、父に援助してもらい、やはりPENTAXの「Z-5p」を購入するも、何となく、必要以外の写真は撮らなくなってしまっていた。
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 その後、ようやくメガピクセルが出始めた頃からデジカメを手にし、その手軽さから、再びカメラを持ち歩くようになった。
 そして一昨年、妻の「一眼レフが欲しい」という一言から、ついにデジタル一眼、PENTAXの「K200D」の購入となる。所有していたレンズが使えたこともあるが、何より手にした時のフィット感で選んだ。価格も比較的安価だった。やはり一眼レフで撮る喜びはひとしおで、一向に飽きない。それにパソコンなんかと違って、新機種発表後もさほど悔しがらずにすむ。カメラはそんな道具のようである。

 こうして、親子三代に渡りPENTAXを選んでいる。因縁とまでは言わないが、NikonでもCanonでもないところが、何となく、わが家らしいと思えてしまう。

 祖父のカメラに付いているレンズ、壊れていなければ、私のカメラにマウントできるはずだ。「何を撮ろうか?」などと夢想している。無論、今は展示品。叶わぬ夢であるが。
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