私は昔から、犬か猫かと言われれば、断然犬である。どうも猫には馴染がなく、彼らが何を望んでいるのか、私達が何を望んでいいのかも分からない気がしている。

 実は過去に一度だけ、猫を飼ったことがある。
 小学校高学年の頃だったと思う。実家の側に、まだ目も開かないような子猫が捨てられていた。最初は見て見ぬふりをしたが、細い鳴声に私と姉は耐えられなくなり、家に運び込んだ。
 何をしてやればいいのかも分からないまま、何とか助けてあげようとした。ミルクを飲ませ、排出を促し、兄は背中に産み付けられていたハエの卵を懸命に取り除いた。
「大丈夫かもしれない」、皆がそう思った。
しかし一週間程だったろうか、小さな命は、はかなく消えた。
 猫はそれ以降、縁がなかった。

 妻は昔から、「猫も飼いたい」と漏らしていた。彼女は犬だけでなく、とにかく「けのもの」が好きなのだ。それは理解していたが、私はあまりいい顔をしてこなかった。
 それがどういう訳か、十日ほど前から、にわかに猫を飼ってもいいかもしれないという気になった。理由を聞かれても答えようがないが、猫ならメスがいいとまで、私は言った。
 すると妻が「実は友達が子猫を6匹保護しており、里親を探す相談をされている」と明かした。私に遠慮して話していなかったそうだ。
「会いに行こう」ということになった。とりあえず、里親が見つかる間だけでも、預かろうかと。

 その予定の2日前、私は発掘現場の帰りに、喉を潤そうと、車を止め自動販売機の前に立った。すると突然、かすかな猫の声を聞いた。やがて自販機の下から、小さな小さな子猫が姿を現し、私の足に乗り、止まった。痩せて見えたし、目や鼻の周りに目やにが沢山あった。付近には他の猫の気配もない。
 あの時の子猫が重なり、私はその場でその小さな命を拾い上げてしまった。
 そのまま動物病院に向かうと、やはり痩せており、猫風邪との診断。薬を貰った。女の子だそうだ。私は、彼女を連れ帰った。
 もしかすると、預かることもあるとしていたので、妻はちょうど子猫を向かい入れる準備をしていた。私が玄関を開けると、彼女の居場所はすっかり整っていた。 2日経ち、目やには大分少なくなり、体重も増えている。
 明日、拾った付近の方達に聞いてみて、飼われていた猫でなければ、私は彼女を育てようと思う。

 折しも、今日はモルモットのミンミの命日でもあった。
関連記事

Comment

非公開コメント

被災していない私たちの手で
(公社)日本愛玩動物協会
妻が長野支部の事務局長を務める団体の協会本部で、被災動物救援活動を行っています。
ようこそ A.E.G Cafe へ

A.E.G

Author:A.E.G
ここは標高1200mにある
「A.E.G自然史博物館」の喫茶室です。
ごゆっくりおくつろぎ下さい。

関連サイト
カテゴリ
館長のつぶやき
最新コメント
おじゃまいたします
主に古生物について
ふらぎ雑記帳
タブリンの窓
umrおかめ通信
左上腕骨内側
ヤマモト生物模型作業週報

主に犬について
犬3頭と夫婦のノンビリ生活
座敷わらし犬とうさぎガーデン

主に考古学について
八ケ岳だより
日々のできごと、ときどき考古学

お友達のブログ
Lotus Root Design
めいのはま日記
縄文遺跡の上にある「富山県朝日町」お散歩日記
ぽこぽこ手帳

NATIONAL GEOGRAPHIC NEWS
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
ブログ内検索
RSSリンクの表示