ミンミ、縄文土器、子鳥の声


 すでにお暖かいお言葉を頂いていますが、もう一度、彼女のことを。

 モルモットのミンミ。
 2ヶ月ほど前までは、すごく調子もよく、主食である牧草も良く食べ、お腹が減った時や、何かおやつが欲しい時には、これまで以上に声を出して私たちを呼び、身を乗り出してそれを待っていました。
 しかし、5月の誕生日辺りからでしょうか、急に食欲が落ち始め、痩せてしまいました。これまでが良かっただけに、私たちに油断もあったと思います。医者に連れて行き、奥歯の噛合せを整えてももらいましたが、その後体力を回復させてやれず、やがて手足の自由も利かなくなり、最後の数日は体を支えて給仕していました。
 6月14日の夕方には、もう食べ物も飲み物も受け付けない状態に。私も妻も覚悟をして、彼女を代わるがわる手のひらで包みました。そして、妻の作った野菜ジュースをスポイトから少しなめ、何度か小さな声を出した後、静かに旅立ちました。午後6時10分を回った頃でした。
 翌朝、庭に小さなお墓を作りました。先代のモルモットやインコ達も眠っている場所です。アパート暮らしの間はお墓も作れなかったので、大きな植木鉢に埋葬していたものを、改めて埋めた場所です。側に小さなミズナラを、そっと植えました。
 私たちの寝室にいた彼女。ベッドの横から聞こえてくるはずの、水を飲む音や、牧草を食む音や、おやつをねだる声が、今はしません。住人のいなくなったケージを片付けるのには、とても強い意志が必要です。まだそこにあります。
 
 毎日肉や魚を喰らい、その死すら意識していない私達が、テンジクネズミ科の一匹の生物の死に涙する。何という矛盾でしょう。そんな私達を、彼女はどう思うでしょうか。昨日の夕飯に食べたブタはどう思うのでしょうか。あるいは彼らには思いすら、そんな意識すらないのでしょうか。ましてや死んでしまってから。
 そうかも知れません。しかし私は、そう言い切ることも出来ません。だから、あなたが好きだったタンポポもスギナも、全部は刈らずにおきます。好きな時に帰ってきてね。ここは、あなた達の庭だから。

 今日、久しぶりに、思い出深い縄文土器を触ってきました。どんな思いで作られた土器なのか。私は研究を続けます。
 妻はこれまで以上に、人と動物の関係について考えていくのでしょう。

 窓を開けると、親鳥に餌をねだる子鳥たちの声が聞こえます。世界は、動き続けています。
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Comment

No title

家族がいなくなる・・・切ないですね。
でもたくさんの思い出を残してくれたのですよね。
お二人とも、元気だしてくださいね。

No title

lotusちゃま、ありがとうございます。
そうですね、思い出は沢山もらいました。
大丈夫、二人とも元気です。
そうそう、今日は思い出のあの遺跡に行きましたよ。

No title

以前にも書いたような気がしますが、、
最後まで見てあげられて彼女も幸せだったと思います。
ケージはいつかで。

No title

umrさんまで、ありがとうございます。
あのこが幸せを感じていくれていたら、私達も救われます。

そうそう、「絶滅哺乳類大会」、今少しお待ち下さいね。ぜひ鋭いコメントを。
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