恐竜を作ったら、縄文の本が書けました・その2

 さて奥さん、先日の続き・・・・・・どこまで書きましたっけ?

 そうそう、徳川さん。彼とはその恐竜模型が縁で、高校以来何かと交流が続いていたわけですが、その後、彼は本当に古生物復元模型のプロになります。私はと言えば、志半ばで古生物を諦め、考古学を学びます(笑)。まぁ細々と、趣味で模型作りは続けていましたが。

 そして時が過ぎ2010年12月、彼が関係していた、大阪府岸和田市のきしわだ自然資料館(ちりめんモンスターでも有名ですね)の企画に、なんと私を招いてくれたんですね。古生物界隈で本当に著名な方々の中、藤森は趣味の復元模型の楽しさを話してくれという、なんとも無鉄砲な依頼。頼む方も引き受ける方もどうかしてるぜ的な。その時の様子は当時あちらこちらに書いて頂きましたので省きますが、まぁ、笑いはそこそこ取れ、本人的には満足でした。

 で、実はその場に、私もその時は全く知らなかったのですが、東日本の新幹線利用者ならおなじみ、やたらクオリティの高いフリーペーパー『トランヴェール』の編集をされている、藪下純子さんがおられたのです。その後も、諏訪市で行った私の講演にもわざわざ来て頂き、まぁありがたい、なんて思っていたら、「トランヴェールで縄文の特集をやるが、それに絡みませんか?」との依頼が。ダメダメ、トランヴェールは人気紙、ダメダメ!と当初は思いました。第一それぞれの場所に私よりもふさわしい方が居られますしね。と、言いつつ、ちゃっかり案内役?として紙面に出てしまった私。そして掲載されたあまりにわざとらしいポーズの写真が、現在もdisりの対象とされております。まぁ、やらせだし。それが2013年の5月です。

IMG_9983.jpg


 しかし、そんな恥ずかしいポーズの私に目をつけた方が居たのです。
 当時、「信州の縄文文化を紹介できる本を作りたい」と考えておられた、デザイナーの石川孝さんです。ある日石川さんから「縄文時代の本を作りたい、ぜひ協力してもえないか?」という感じの打診がありました。確か2回目にお会いした時には、イメージのサンプルも見せて頂いた記憶がありますが、それを見て私は、「これはカッコいいぞ、いけんじゃね?」と思いました。

 そして2014年7月11日(あれ、誕生日じゃん)に出版社から正式なゴーサイが出されました。その後色々あり、まぁ私がグズなのが一番の原因でしたが、長い長い時間を費やしてしまいました。しかし石川さんや編集の方には、最後まで諦めず付き合って頂き、ようやくこの2017年の2月、出版に至りました。なお、本のデザインや体裁を褒めてくれる方が多いですが、それは全て石川さんのお仕事です。石川さんとお仕事が出来たことは、本当に幸運でした。
 このように、始めから終わりまで、出会いありきの展開で、多くの皆さんに感謝しかありません。そうそう、きしわだ自然資料館でお世話になった風間美穂学芸員はじめ関係者の方々には、昨年に私の職場の講師に来て頂くという交流も生まれましたね。

 そして、完成した本を見てくれた徳川氏からは「しれっとアンタの模型載せてるやん!」という褒め言葉?を頂いております。えぇ載せましたとも。ありがとう、コティロ兄さん※!
※コティロ兄さん・・・正式にはコティロリンクス兄さん。某SNS上では、相手に特定のアニマルネームを付けることが多いが(例、ウルフ、カメ、ヤギ、各種鳥など)、徳川氏の場合、普通誰も知らないし、ましてや立体模型になどしないであろうペルム紀の単弓類、コティロリンクスを作成し、かつそれが世界中の古生物学者の絶賛を浴びたところから、その属名をもってコティロ兄さんと呼ばれることが多い。

 というわけで、恐竜から縄文の本が生まれたという、古生物学と考古学をより分かりにくくするお話でした。奥さん、お子さんに「僕恐竜が好き」と言われたら、数学頑張るように言って下さいね!

 


《以下、もし間違って若い方が読んでいたら。卒業シーズンだし》
 私は高校生で恐竜模型を作っていた頃、本気で「これで将来飯が食えたら最高だ」って思っていました。もちろんそれは身の程知らずだったのですが、真剣に模型を作っていました。でなければ、徳川さんたちの目にも留まらなかったと思います。その後理系には進めず、大学では考古学を選択しましたが、発掘調査や遺物の整理作業にはたくさん参加しました。今は職場の環境もあって、実践経験は同年代でも少ない方ですが(もっと凄い方はいくらでも居られます)、でもやっぱり学生時代の経験は下地となり、今の私を支えています。でなければ、自信をもって考古学を語れないでしょう。考古学の本の依頼など、間違ってもなかったでしょう。
 だから皆さん、将来役に立つとか立たないとかはあまり考えず、目の前に夢中になれることがあれば、ぜひ真剣に夢中になって下さい。私たち大人は、そんな努力が無駄にならない世の中を作るように、頑張りたいと思います。
関連記事

テーマ : 研究者の生活
ジャンル : 学問・文化・芸術

Comment

非公開コメント

被災していない私たちの手で
(公社)日本愛玩動物協会
妻が長野支部の事務局長を務める団体の協会本部で、被災動物救援活動を行っています。
ようこそ A.E.G Cafe へ

A.E.G

Author:A.E.G
ここは標高1200mにある
「A.E.G自然史博物館」の喫茶室です。
ごゆっくりおくつろぎ下さい。

関連サイト
カテゴリ
館長のつぶやき
最新コメント
おじゃまいたします
主に古生物について
ふらぎ雑記帳
タブリンの窓
umrおかめ通信
左上腕骨内側
ヤマモト生物模型作業週報

主に犬について
犬3頭と夫婦のノンビリ生活
座敷わらし犬とうさぎガーデン

主に考古学について
八ケ岳だより
日々のできごと、ときどき考古学

お友達のブログ
Lotus Root Design
めいのはま日記
縄文遺跡の上にある「富山県朝日町」お散歩日記
ぽこぽこ手帳

NATIONAL GEOGRAPHIC NEWS
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
ブログ内検索
RSSリンクの表示