道具との乖離

 先日、故あって、井戸尻考古館に隣接する「富士見町歴史民俗資料館」と、現佐久市の「望月歴史民俗資料館」を訪ねた。改めてじっくり観ると、自分の不勉強に冷や汗が出る思いであった。

 富士見町のK学芸員との雑談の中で、こんな話が出た。「最近の学生さんは、考古資料の前に、民俗資料を見るべきかもしれない」という。つまり、鍬でも斧でもナイフでもいいが、実際に考古資料に触れても、道具としての実感が湧かないのではないかと。

 人のことは言えない。私は農作業の経験はほぼ皆無だし、わずか数十年前の民俗資料を見ても、使い方が皆目分からないことも多い。「刃物で自分の親指を切る子ども」については、以前このブログにも書いたが、「鍬で土を耕せない大人」という笑い声が、道具の後から聞こえてくる気がした。

 いずれにせよ、この傾向は増々進むだろうし、流れに逆らうことはきっと難しいだろう。悲しいかなその中に、アーカイブとしての博物館の存在意義が見え隠れする。

 だがともかく、まだまだ道具を握ることを続けようと思う。子ども達にも、石器を持ってもらいたい。重い?硬い?痛い? それじゃ、どう使う?

 

 
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