好きな恐竜・タルボサウルス

 実に実に長い年月を費やし完成したタルボサウルス。大きな写真をホームページ『A.E.G自然史博物館』に掲載しましたので、ご覧下さいね。

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 で、今回はこれにまつわる心のうちを書き留めました。ちょっと、長いですよ。

 私にとって、恐竜の中でもタルボサウルスは特別な存在です。幼い頃、母に連れられ東京上野の国立科学博物館に行けば、玄関を入った高い天井のホールに、美しいタルボサウルスの全身骨格がまずありました。恐竜というものに興味津々だった少年にとって、それはもう神聖な存在でした。しかし、いつの間にか傍にマイアサウラの骨格が現れ(それはそれで素晴らしいのですが)、さらに館全体のリニューアルに伴い撤去。随分残念な思いをしたものです。
 でも心の中で恐竜といえば「あのタルボサウルス」だったんです。いつかその姿を作りたいという思いはずっとありましたが、どうしてもティラノサウルスだトリケラトプスだとやっているうちに、月日は流れ…。それでやっと「作る」と決めたのが、2010年の6月。その後放ったらかしの時期もありましたが、大きな節目となったのは、やはり一昨年の12月に大阪市立大自然史博物館の企画展を見たことですね。くわしくはこちらで書きましたが、ようするに、極めて保存状態のいいタルボサウルスの骨格を見てきた訳です。
 さらにそれのみでなく、そこで販売されていたのが、このブログでも何度か登場している徳川広和氏原型のタルボサウルス。これを手に入れるために、大阪まで行ったと言っても過言ではない。しかも、その徳川氏のご自宅に泊まったりしてね

 さてここから先、徳川氏並びに彼のファンは読んじゃダメなんですが、この徳川タルボと私の作りかけ拙タルボを比べた時、実は嬉しかったんです。もちろん、彼と私とで技術の差は歴然ですが、基本的な身体の流れが思ったより似ていたのです。
 「同じもの作ってたら、似るの当たり前じゃん」というあなた、それがなかなかな、そうでもないんですよ。恐竜(絶滅した古生物)をカタチにしようという場合、わずかな化石や状況証拠、また現生動物との関係を加味して、その姿勢や関節の動き、筋肉の位置や量などを考えていくわけです。さらに入手し得る資料の質と量、その取捨選択や解釈の仕方により、往々にしてその復元は変化するものなのです(ここだけの話、実は羽毛の有無なんていうのは大した問題じゃない、なんてね)。
 で、徳川氏ですが、彼は今や世界を股に掛ける古生物立体模型のエキスパート。私などからすれば神的な存在です。だがしかし、私と彼は、お互いがまだ高校生だった頃、インターネットなどまだなく、数千円する海外の恐竜本を穴のあくほど眺め、この道を確立された荒木一成氏や松村しのぶ氏の模型に憧れていたあの頃から、模型の雑誌を介して互いの作品に触れ、「こいつ、なかなかやるじゃん」と意識しあっていた(いや、少なくともこちらはの)仲なのです。
 そしておそらくその頃から、私たちは「同じ方向を向いていた」のだと、勝手に思っています。その後、彼はこの道のエキスパートに、方や私は考古学に浮気しそのまま離脱。ですから、彼の作品と比較などというのは本当におこがましいのですが、上記ような復元の難しさを踏まえて、上手い下手ははともかく「似ていた」というのは、本当に嬉しかったのです。独りでトンネルを走っていて、抜けたら同じ空の下にいた、みたいなね。
 
 とにかく私にとっては、思い出深い作品となりました。

 ただ最後に言わせて頂きます。この徳川タルボ、今風な復元をしつつも、我らが神聖なる上野タルボを意識して、オールド恐竜ファンの琴線に触れるポーズになってるじゃありませんか!ずるいぞ将軍!
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