相木川の魔物・伝説のチャート

某博物館の脇を流れる相木川には、伝説のチャートが眠る…。 
 この物語は、幻とされる伝説のチャートを追い続けた、W大学の若者達の冒険譚である。

 あ、この先、あまりにもくだらない内容になるので、現実に戻りつつ書きます。

 まぁ、ようするにですね、今年もわが博物館による栃原岩陰遺跡の遺物整理作業に、早稲田大学の諸君が集まってくれたのです。本当に優秀で愉快な彼ら。今年も作業は大幅に進みました。ありがとう!

 さて、その際のお話し。
 私の勤める博物館は、千曲川上流域の支流相木川に面しています。そしてこの辺りでは、石器(矢尻など)の材料となるチャートという石が採れるんです。実際に周辺の遺跡ではチャート製石器が見つかり、私が調査した木次原遺跡でも、縄文時代前期(およそ7000年前)に、この石を利用して沢山の矢尻を作っていた遺構が見つかっています。
 ところが、実際に石器を作ってみようチャートを探して河原を歩いてみると、石器作りに向いているものは意外に拾えないのです。

 なんてことを教えたからかどうか忘れましたが、遺物整理作業に来てくれる若き考古学徒が、質の良いチャートを求め旅に出るのも当然なわけです。
 で、そのためだったかどうかは定かでないのですが、ある院生(仮にH君としておきましょう)が、一昨年だったか、川の向こう岸に渡ろうと石飛をしていると、足を滑らせて、ザブン!雪と氷の残る川の犠牲となったのです。

 そこで、今年はリベンジという訳で、なんとか向こう岸に渡ろうと、そして何時の間にか話が出来上がっていた「伝説のチャート」(緑色に光り、時には人の心を堕落させ、場合によっては巨万の富をもたらす)をゲットしようと、再び川に挑んだわけです。


 でもまぁ、私としては怪我でもされれば困るので、胴長を貸したわけですよ。お腹から足先まですっぽり包む釣り人が着るようなやつですね。そして、渡り切った向こう岸でどんなオチをつけてくれるかを期待したわけですが、なんとH君、本当にナチュラルに、今年もこけたのです。たまった落ち葉に足を滑らせ、胴長意味なく、ザブン!
 一堂唖然、そして爆笑。


これはこける直前。このあと悲劇が…。

 まさしく、相木川の魔物が、また彼を阻んだのでしょう。

恐るべし、伝説のチャート…。
 こうして、伝説はまた霧の中へ。
  友よ、また会おう。


 いや、皆さん、早稲田の彼らは本当に優秀なんですよ。また一緒に仕事ので出来る日が来ることを!お土産もいかすしね!(笑)
写真-3

そして妄想 その後二人は…

 で、下のエントリーの結果を受け、前置きなしで、早速妄想…

 駒木野の地に腰を落ち着けた私。出会った少女はやがて妻となった。
 時々、はるか西の山々を見て故郷を想う私に、彼女は言った。
「あなたの故郷の器を、私が作ってあげる。あなたが寂しくないように」
私は記憶をたぐり、長老の家にあった大きな器を思い浮かべた。私たちのムラの神々が載せられたその器を。

「違う、そこに入るのはそうじゃない。別の神さまだ」
「でもそれは私たちの流儀に反するわ。このムラの神さまたちが怒ってもいいのかしら?」

 そんなことを繰り返しながら、彼女は私の故郷の器を、彼女のやり方で作って焼いた。旅の果てにあったのは、二人の生んだ、小さな物語であった。多摩の流儀で作られた、八ヶ岳の土器の物語。
 
 そして、次にこの物語が語られるのは、実に4千年の後であった。


 あぁ、出し切りました。妄想は楽しいですね。ちなみに、明後日は12回目の結婚記念日。2日ほど早いですが、今夜は少しだけ、美味しいものを頂きましょう。
 尚、妄想中の少女と今隣にいる妻は、一切関係がございません(笑)。

禁断の妄想考古学・旅路編

 さて、今回東京都西部の青梅市に向かった理由は、研究対象である蛇体把手土器の調査の為でした。しかし、初めて訪ねた青梅という土地と、土器の出土した駒木野遺跡の立地を見て、ちょっと感じたことを書こうかと思います。

 長野新幹線が開通してからというもの、電車で実家や東京に向かう場合はそれを使うので、中央線に乗る機会は滅多にありません。そんなこともあり、窓から見る景色も楽しみにしていたのですが、今までは漠然と思っていたことが、今回明確に分かりました。八王子を過ぎ立川に向かう辺りで、はっきりとそれを感じたのです。
「山が、終った」
 標高1300mのわが家からずっと、常に山の中にあったからでしょうか。なんだか急に外に投げ出されたような気分でした。あとで地図を確かめると、やはり浅川か多摩川を越えた辺りだったようです。
 そして、立川駅で乗り換え、初めて青梅に入ったわけですが、青梅の駅を降りて、今度はまた逆の意味で驚きました。
「ここから、山が始まっている」
 さらに、駒木野遺跡です。青梅市郷土博物館に向かう途中、計らずもその地に立ったわけですが、そこは正に山塊の東端。西には多摩の峰々が連なって見える一方で、東側は大きく蛇行する多摩川が、20メートルの崖を作ることでそれを突然に終らせる。そこから先は、果てることない関東平野。
 もちろん、地図を見ればそこまで単純ではないのですが、体感として、そう感じました。
IMGP6344.jpg

 帰路、電車に揺られながら、対象としてきた土器の分布と、これまでの自分の旅路を重ね合わせていると、いつの間にか、こんな妄想が。
 遥か5000年昔、もし私が八ヶ岳西南麓に住んでおり、何かの理由で旅に出るとしたら。例えばそう、世界の果てを見に行くとか…。

 犬の1匹も連れていたかも知れない。オオカミが人を襲ったかどうかは分からないが、用心に越したことはない。
 野宿も覚悟だが、現在「遺跡」と呼ばれる村々を宿に歩くだろう。まず八ヶ岳を背にした後、南アルプスを右手に見つつ、霊峰富士に向かって進む。やがてそれは御坂山地に遮られるが、東に向かえば大きな村がいくつもある。その後、あるいは大菩薩峠に向かっただろうか。峠を越え、そのまま多摩川沿いを下れば、やがて駒木野に行き着く。
 そして、川を挟んだ対岸には、これまで見たこともない広い平野が広がっていた。
 ここと向こうをを往来する人々も、無論いる。しかし、私は思ったに違いない。ここから先の広い平野は、自分の住む世界とは違う世界だと。自分の旅は、ここで終るんだと…。 
 調べている土器も、今のところ、ここが最東端。ひとまず、旅はここまでのようです。
 以上、たわいもない妄想として。


 その後、私はこの村で出会った若くて美しい娘と恋に落ち…………あ、書き過ぎた!

君は、雪男に会いたくないか…。


 本日も寒いですがよく晴れました。ようやくゆっくりコーヒーを飲む気分に。
 さて、新カテゴリー「妄想考古学」。お願いです、考古関係者の方々、読み飛ばして下さい。

 さて、記念すべき第1回目は、雪男、イエティの話。

 突然ですが、私は中学の卒業文集に、ネッシーを発見した未来の自分を書いています。おばかです。おばかですが、実は当時から「ネッシーよりもイエティ(雪男)存在の可能性が高い」とにらんでおりました。うむ、なかなか賢い。

 あれから二十数年。

 先日、W大学の愉快な仲間たちと雑談している際、なにか楽しいことをしたいという流れの中で、「雪男、イエティを探しに行く」という話になりました。
 しかしどうやって探すのか?川口探検隊よろしく、カメラマンと供にヒマラヤの奥地を歩き回るのか…。いやいや、我々は考古学者ですよ。発掘するんですよ、発掘。彼らが存在する(した)ならばその骨(化石)くらい残っているのでは?あるいは石器を使っていたかも?
 そうです、ヒマラヤで発掘をするんです!科研費でももらって、イエティの発掘調査に行こう!

 なんて、楽しいことを考えていたところ、このニュース。なんとシベリア南部の洞窟で、未知の古人類の化石が発見され、しかもそれがおよそ4万年前まで生存していたとのこと。
 2003年にインドネシアで発見された小型人類ホモ・フロレシエンシス(通称ホビット)にいたっては、およそ1万年前の化石が見つかっています。さらにもし地元の伝承が正しければ、実に19世紀まで生きていたとか(いないとか)。
 とにかくも、我々ホモ・サピエンス以外の人類が、ごく最近まで生きていたのは間違いないようですね。

 ならば、ヒマラヤの奥地に未知の人類が生き残っていたっていいじゃないですか。どうですか皆さん!私たちに科研費を!!!

 ふぅ、書いてしまった。あ、これは妄想ですからね、妄想。良い子はあまり本気にしてはいけませんよ。

 とりあえず、ナショナルジオグラフィックの新刊『ビジュアル 類人猿』が読みたいです。
 いやその前に、論文仕上げます…。
被災していない私たちの手で
(公社)日本愛玩動物協会
妻が長野支部の事務局長を務める団体の協会本部で、被災動物救援活動を行っています。
ようこそ A.E.G Cafe へ

A.E.G

Author:A.E.G
ここは標高1200mにある
「A.E.G自然史博物館」の喫茶室です。
ごゆっくりおくつろぎ下さい。

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